最優秀賞
RUNNER/ランナー
「時間軸/TIME AXIS」をテーマに開催した企画展に出品するために製作した物です。
■動きについて
4つのリングは自動的に順次回転していきます。リングには型抜きされたプレートが36枚取り付けられており、背後からLEDをストロボ発光させる事でゾートロープのような動きのある映像を作り出します。最初のリングは「赤ちゃん」、続いて「子供」、「大人」、「おじいちゃん」と、世代が移り変わり、また最初の「赤ちゃん」へと、エンドレスで動き続けます。
■機構について
企画展やその後の展示など、長期間に渡る展示が見込まれましたので、駆動部に負担がかからないように、モーター駆動のショックを吸収する機構を組み込みました。この機構は作品全体のレトロ感も演出するギミックにもなっているのですが、リングの回転速度も不安定にしてしまいます。そこでリングの回転状況をセンサーで検知し、ラズパイでLEDの発光タイミングや回数を設定してます。
■素材について
鉄材で作ってしまうと重量がかさんでしまい移動も困難になってしまうので、重量が軽く加工も容易なMDF、PVC、アクリル等を素材としています。鉄粉を含んだ塗料を用いて塗装を施し、薬品処理で錆を発生させました。
熊谷 文秀
何の説明も受けることなくこの作品を目の前にすれば、そのキャラクター性やバックボーンを感じる風貌から「一体なんの機械だろう」と興味を持つと思う。よく観察すると、何かの役をなす為の機械ではないということがわかる。非常に強いこだわりと、高い技術力によって作られていることを感じ取れるにも関わらず、覗き口から流れる映像を見ても明確な解釈を得ることができない。作品を鑑賞し終えた後も、「一体なんだったのだろう」という不可思議さの余韻をいつまでも楽しむことできる作品。
中村 一
関連リンク
2018.12.25
2017.10.31