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投稿された作品の写真を見たとき「ん??なんだろうこれ??」と思わず凝視してしまいました。そう、これがダミーでつくられた「音源再生プレーヤー」だとは見た瞬間はまったく気付けなかったからです。その完成度と外観からSHARPの「X68000」そのものにしか見えませんでした。それほど、ものすごく忠実にリアルに作り込まれています。ここまで本物そのままの外観を実現するには想像以上に細かなこだわりや試行錯誤があったのではないでしょうか。ただ、MGSさまはそうした試行錯誤を「つらい」とは思わなかったのではないかなと・・・そんなことをこの作品の完成度から思わされました。私たちは社会の中で生きていると時に「苦労することは美徳だ」と思ってしまうことがあります。しかし、この作品は「楽しかったからこそ作り抜けた作品」なのではないかと思います。MGSさまの「SHARP X68000」という製品に対する深い愛情と思いが、ここまで見事な作品を作り上げたのでしょう。「つくることは楽しいことだ。楽しいからつくるんだ」そんな一番大切なことを私たちに思い出させてくれる素晴らしい作品です。
1987年にSHARPから発売したパソコン「X68000」のデザインを元にG.I.M.I.Cから発売されている高音質FM音源基板(YAMAHA YM2151)を搭載した小型ケースを作りました。FRP素材の加工は全てフライス盤を利用して手作業で試行錯誤しながら加工しました。細かい部分も再現させる為に上部のスリット加工やシルク印刷をテプラで再現したり、アルミの焼き付け塗装・ケース表面の梨地塗装など新たな挑戦をしたので1年の製作期間を費やしました。FM音源再生プレーヤーの周辺機器も充実させて、梱包箱、取説、保証書、リモコン、電飾ポップスタンド、フロッピーディスク、ブラウン管風モニターなど、80年代の思い出をそのままミニチュアで再現しました。(注意:SHARPのロゴ等を利用していますが、シャープ株式会社とは一切関係ありません)
製作者 | : | MGS(エムジーエス)様 |
ホームページ | : | MGS/エムジーエス |
作品紹介ページ | : | GIMIC 2代目マザーボード用 X68000ケース製作への道のり |
ダンボールを使って自作するケースサイズを決定しました。
ダンボールの寸法を元に手書きの設計図を書いてから2mm厚のFRP板をカットしました。
PROXXONのフライスマシンと「快刀乱麻CN」の組合わせでFRP板に細かい加工をしました。
「アロンアルファ EXTRA耐衝撃」を使ってFRP同士を接着しています。
KitMill CIP100を使って各基板を作りました。(KitMill CIP100の制御コントローラー部分はL型部品を使って加工機本体の右側に固定したことで使いやすくなっています)
表面実装タイプの基板が短時間で綺麗に出来上がりました。
制御基板はPICを利用しています。PICプログラムは自作しました。ケースが完成するまでに組立を何度もするのでコネクター式にしています。
アルミ素材の塗装は剥がれ易いのでポップアップするハンドル(取っ手)部分はオーブントースターで焼き付け塗装をしましたが、適正温度に気付くまで何度も実験をしました。
クルマ用の塗料とエアースプレーガンを使ってケースを艶消しのブラック梨地塗装をしました。表面が凸凹している梨地塗装は意外とスムーズに出来上がりましたが、艶消し剤の比率に苦労しました。
テプラとデカールシートの組合わせで金色のロゴも細かく再現できました。
上部のスリット部分は実機と同じ構造にするのにフライス盤で何度も材料の方向を変えてそれらしく仕上げました。
ミニチュアのフロッピーディスクも電動でイジェクトする構造も作りました。
内蔵バッテリーは非接触充電(Qi規格)に対応しています。
写真左は実機のX68000です。右側は今回自作したケース(外観寸法 幅100x高さ130x奥行114mm)です。