マイクロ流路デバイス

「INARI P35」は、医療やバイオ分野での研究開発における、精密機器の試作にも活用されています。その実例として、合同会社 Luominen Lab 様(以下 Luominen Labとし、敬称略)が「INARI P35」で成形した「マイクロ流路デバイス」の試作品をご紹介します。Luominen Lab は、理化学分野向けのプロトタイプ装置の開発に取り組んでいます。詳細については、公式ホームページ からご確認いただけます。

「マイクロ流路デバイス」とは

主に、医療やバイオ分野で液体の化学分析に用いられる装置です。樹脂やガラス製の基板に、微細な溝を彫ることで流路を形成します。そこに少量の液体を流すと、液体中の微粒子の混合や分離ができます。この装置により、少ない試料でスピーディーに、精度の高い化学分析を行うことが可能です。

「マイクロ流路デバイス」の仕様

成形材料には、シクロオレフィンポリマー(以下 COP)という樹脂を使用しています。COP は優れた強度と耐熱性を持つエンジニアリングプラスチックであり、医療機器をはじめとした、安全性や耐久性が必要とされる分野で多く使用されています。吸水性が低い材料のため、成形時に反りなどの変形が発生しにくく、正確な寸法で成形できます。さらに流動性にも優れており、金型の微細な部分までしっかり樹脂が行き渡るため、今回のように精密さが求められる形状の成形に適しています。

成形材料
COP
成形品体積
3 cc
シリンダー径
Φ 15
成形圧力
0.3 Mpa
成形温度
260℃
金型温度
80℃
  • 成形品
  • 成形に使用した金型

成形に使用した金型は、当社の「金型製作代行サービス」で製作されました。今回の成形品の流路は、最も広い部分の幅で 0.5mm、狭い部分の幅で 0.2mm 、溝の深さは 0.2mm です。このような精密な加工を要する金型も、専門メーカーの切削技術により高品質に仕上げることが可能です。サービスの詳細は下記からご確認いただけます。

金型製作代行サービス
詳細はこちら

「マイクロ流路デバイス」に液体が流れるようす

「INARI P35」で成形した「マイクロ流路デバイス」に着色した液体を垂らし、その動きを観察しました。その結果、流路内部をスムーズに流れていく液体のようすが確認できました。微細な流路に至るまで、高精度に成形できています。

製品見学にて「INARI P35」の成形実演をご覧いただけます

研究開発で「INARI P35」の導入をご検討の方に向けて、製品見学を実施しています。見学では、当社がご用意した金型と材料による成形実演をご覧いただけます。また、お手持ちの材料のテストをご希望の場合は、事前にご相談も承ります。見学は平日 13:30~15:00 の1時間半を1枠とし、毎週3枠を目安にご予約を受け付けております。下記の予約ページにて詳細をご確認いただけますので、ぜひお気軽にお申し込みください。

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