混練・押出・造粒。軽やかに刻む素材のリズム。
Unleash Your Creativity with INARI

私たちはこれまで、射出成形機「INARI」シリーズの提供を通じて、卓上で気軽にアイデアをカタチへと変えられる環境を届けてきました。そして今回、カタチを紡ぐ”素材”を自らの手でつくりだす自由へと領域を広げます。
「CONERI」は、その自由を実現するために生まれた卓上サイズのペレタイザーです。従来であれば別々の機械を要する「混練・押出・造粒」という3つの工程を、コンパクトな1台に集約。粉体材料やリサイクル材料にも応えながら、さまざまな調色や配合を、机の上で軽やかに実現します。
「CONERI」で素材をつくり、「INARI」でカタチをつくる。 卓上に揃うこの両輪が、誰も追いつけないスピードで無数のアイデアを実現し、ものづくりの可能性を大きく広げていきます。
開発ポイント
混練からペレット化までを卓上に集約する独自構造
「CONERI」は、樹脂の混練から押出、ペレット化までを1台で実現する卓上サイズのペレタイザーです。一般的なペレタイザーでは各工程の機構が一直線に並ぶ構造のため、装置の大型化が避けられませんでした。
そこで「CONERI」では、樹脂を水平方向に混練したあと、真下に押し出してカットする「反転L字型」の独自構造を採用(特許出願済)。これまでの発想にとらわれない大胆なデザインによって、卓上で完結するコンパクトサイズを実現しました。自分の手元ですぐに樹脂ペレットがつくれる手軽さが、材料開発のスピードを加速させます。
多種多様なペレットを少量から、必要な分だけ

従来のペレタイザーは大量生産を前提としており、1種類の樹脂ペレットをつくるだけでも数十kg単位での製造が必要になるのが一般的でした。これでは少量で十分な試作において、過剰なコストと時間が発生してしまいます。
コンパクトサイズの「CONERI」なら一度の製造に必要となる材料もわずかで、ごく少量から必要な分だけペレットを製造可能。コストに縛られることなく、次々に材料や配合を変えながら多種多様なペレットをつくれるため、自由な試作に取り組めます。
メンテナンス性に優れる一軸スクリューを採用

射出成形機でも広く採用されている一軸式のフルフライト型スクリューを搭載。数本のネジを外すだけでスクリューを取り外し可能な設計のため、残留樹脂の除去や材料の切り替えを短時間で行えます。
また、スクリュー表面の特殊なメッキ処理により潤滑性や耐食性を向上。材料の固着を防ぎ、スクリューの摩耗を抑制します。これにより、日常的なメンテナンスの手間を軽減しながら、長期間にわたって性能を維持できます。
ツマミ操作で調整できる直感的なインターフェイス

「CONERI」のインターフェースには、各機能を直感的に操作できるアナログツマミを採用。ストランドの押出速度やローラーによる引き込み速度、カッターの回転数を細かく調整することで、ペレットの径や長さを自在にコントロールできます。さらに、冷却ファンの風量やホッパーの回転数も調整可能。ペレットの仕上がりを目視で確認しながら、その場で最適な条件を追い込んでいくことができます。
安全性を重視した設計

ストランドを切断するカッター部分には視認性に優れる透明の保護カバーを設け、安全性と使いやすさを両立しています。さらに、スクリューやカッターに過負荷がかかった際には、自動的に動作を停止する機能を標準搭載。故障や事故のリスクを未然に防ぎ、安全確保が求められる現場においても安心してお使いいただけます。
回転式ホッパーで材料の詰まりを防止
材料を投入するホッパーには回転機構を搭載。粉体材料や形状の不揃いなリサイクル材を使用する際に起こりがちな詰まりを防ぎ、安定した供給を実現します。また、詰まり防止策として一般的に用いられることの多い振動式ホッパーと異なり、材料の分離を抑えながらスムーズにスクリューへ供給することができます。これにより、安定した押出とペレット化が可能となり、試作や研究開発の効率を大幅に向上します。
わずかな空間にもフィットするコンパクトサイズ

本体重量は約20kg 、一辺の大きさは最大50cm程度とコンパクトな設計。さらに、制御ユニットを筐体内に統合することで省スペース性を追求しました。机の上や棚の一角にもすっきりと収まり、必要なときにすぐ手が届くサイズ感で、限られた作業スペースでも本格的な試作をスマートに進められます。
Engineer : Shinya Nakamura
Editor : Hibiki Yaegashi
Photographer : Kota Sugawara